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中性子星の合体による重力波と電磁波による対応天体の観測に成功、の報を YouTube で見る。

距離は1億3000万光年、NGC 4993 銀河の中。1.17-1.60太陽質量の中性子星2個の合体。LIGO 2基と Virgo の重力波信号から重力波源の位置をおおよそ特定、それとほぼ同時刻(1.7秒後)に Fermi 衛星が同じ領域でガンマ線バーストを観測したことでより正確な位置が求まり、全世界の約70ヶ所の天文台・観測衛星が電波・赤外・可視光・紫外・X線・ガンマ線に至るあらゆる波長で残光を観測できたと。すばる望遠鏡他の日本の観測機器でも観測に成功している。素晴らしい成果。重力波源をこういう風に同時多波長観測できるのはもう少し先だろうと思っていたが、進展の速さが想像を超えている。この一回のイベントで一体何本の論文が出るんだろう。


GW170817 はあらゆる波長で対応天体の観測が行われたが、ニュートリノは検出されず。さすがに1億3000万光年 (40 Mpc) は遠すぎた。SN 1987A のときはカミオカンデで11個のニュートリノが検出されたが、これは距離が167,000光年 (51.4 kpc) と近かったために検出できたもの。地球で受かるニュートリノの数は源からの距離の2乗に反比例して減るので、仮に今回の中性子星合体が SN 1987A と同じ数のニュートリノを出したとしても、地球で検出できる個数は SN 1987A に比べて (51.4 kpc / 40 Mpc)2 = 1/1,650,000 に減ってしまう。現在のスーパーカミオカンデは1987年当時のカミオカンデに比べて水槽の有効体積が 32,000t / 2,140t = 14.9 倍に増えているが、それでも今回の重力波源は遠すぎてそこからのニュートリノを検出するのは無理。