今日の天体画像警察。新年から放送されている武田玲奈の「NOVA」の CM だが、最後に出てくる月がおかしい。おそらく夕方で、画面左下の空が赤く染まっているのでそこがほぼ西の方角で、地平線下には沈んだばかりの太陽がいる。なのに画面右上(北西)に上弦過ぎの月がいる。激しくおかしい。白道は黄道と5度しか違わないので、太陽と月が黄緯方向にこんなに離れて位置することはありえない。

NOVA

千歩譲って、これは夕方の西の空ではなく明け方の東の空だということにすれば、赤く染まっているのは東の地平線、月は南東にいる、ということになり、太陽と月の離角に関する矛盾はまあ解消する。しかし、月の欠け方は依然として辻褄が合わない。当たり前だが、月は太陽に近い方向がいつでも光っている。上弦の月 ◐ であれば月の右方向に太陽がいる。画面上で月よりも左側に太陽がいるのであれば月の右側が欠けていなければおかしい。

俺の感覚からすると「夏に桜が満開」とか「時計の針が逆回り」と同レベルの大間違いだが、天文現象はどういうわけか「絵がそれっぽければいい」程度の雑な扱いがいまだに少なくない印象。なぜなのか。