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「花粉を水に変えるマスク」の CM や車内広告が凄い。広告費を相当費やしているのだなぁ。代替療法にすがって奥様を喪った海老蔵氏がまたしても疑似科学商品の CM に担ぎ出されている姿は痛々しい。
批判を載せている医師の blog でこの画像を見て、メーカーが主張しているハイドロ銀チタンとやらの反応機序についてはおおよそ理解した。二酸化チタンや銀が触媒になって、まず空気中の水から ・OH や O2- のようなラジカルが作られます、と。(後者はよく「活性酸素」とも呼ばれる。)こういうラジカルが細菌の細胞膜やウイルスの蛋白質を壊して無害化するという主張らしい。・OH や O2- はたいてい相手から水素を奪って最後には水になるので、これを以て「花粉を水に変える」と称しているようだ。有機物を完全燃焼させれば究極的には二酸化炭素と水になる、というのと同じような話だが。ひどいですね。
・OH や O2- の酸化力を以てすれば、蛋白質のポリペプチド鎖を多少切断するくらいの反応はまあ実際起きるのかもしれない。しかし生体の中でもない空気中のマスク繊維の表面で、花粉や細菌・ウイルスが無力化されるほどこの作用が効率的に働くかと言えば、まず無理だろう。もし花粉や細菌を壊せるほど効くのであれば、同様にマスクの繊維を作っているセルロースやポリオレフィンも分解されてマスク自体がボロボロに劣化するはずだし、鼻や口の粘膜も侵されて炎症を起こすだろう。医師が作ったという触れ込みだが、こういうトンデモ商品を「効く」と言って売る医者がまともであるはずもない。