水星の全球地形図。こういう話を聞くと標高 0m をどう定義するのかが毎回気になるわけだが、USGS のページを読むと今回の水星のデータでは単純に半径 2439.4km を 0m としているっぽい。月の場合は、現在最も精密な地形データはかぐやと LRO のデータを合わせたこれのようだが、ここでも標高の基準は単純に半径 1737.4km を 0m にとっているらしい。火星の場合はマーズグローバルサーベイヤーのデータが一番良いのかな。ここには "Elevations above the areoid" などという語句が出てくる。地球のジオイドと同じように火星の等重力ポテンシャル面を areoid と呼ぶんでしょうね。つまり火星の場合は月や水星と違って、ちゃんと中身の重力分布を考慮した等ポテンシャル面からの高さを標高としている。具体的にどの面を使うかはこのへんに書いてあるが難しくてよく分からない。火星を周回する探査機がたくさんいるので、それらの軌道変化から求めた areoid を使い、火星の赤道半径がだいたい 3396km なので、赤道上の半径 3396.0km での重力ポテンシャルの平均をとって、重力がその値になる面を 0m と定義している、と書いてあるような気がする。以前は areoid を4次4階の球面調和関数の和で近似し、平均大気圧が水の三重点 (6.1 mbar) になる高さを標高 0m と定義していたが、今は違う、と書いてあるような気がする。