名教支

ブラタモリの伏見の回を見て以来、電柱の番号札に書かれている古い地名を見つけるのが楽しみになった。電柱には電力会社の「電力柱」と NTT の「電信柱」があり、両社共用の柱もある。共用柱の場合は地面に近い方の番号札が柱の所有者を表すとのこと。ただしこれは東電のルールのようで、四国電力の場合は逆に地面から遠い(より高い)札の方が所有者を表すらしい。中国電力も高い札の方が所有者

電柱の番号札には大字小字などの古い地名や昔あった公共施設の名前などがよく使われている。一度立てたら何十年も同じ位置に立っているせいか、あるいは細かい区分が必要なせいか、ともかく、今となってはなぜこの名前なのか分からんという地名がしばしば付いている。弊社前の道路に並ぶ電柱の場合、東電の柱には「上原」、NTT の柱には「名教支」と書かれている。渋谷区上原なので「上原」は分かる。「○○支」「○○幹」というのは支線・幹線という意味。「名教」が分からん、と思って旧版地形図を見ると、近所にある東海大学代々木キャンパスが1950年代まで「名教学園中学校・高等学校」という名前の私立学校だったことが判明。むかーしから住んでる人は知ってるんだろうけど、俺ら余所者にはこういうのは分からない。

南山谷

代々木八幡駅と参宮橋駅の間の道を最近よく歩くが、このあたりの電柱は「南山谷」。参宮橋駅に近くなると「山谷」に変わる。この地名も今となっては絶滅しているが、かつてこの一帯が「代々木山谷町」だった頃の名残らしい。今は代々木五丁目という味も素っ気もない地名になってしまっている。渋谷区立代々木山谷小学校というのが一応あるらしい。

東電の番号札には東電のロゴマークが付いているが、まれに昔の「T に稲妻」のマークが付いている古い電柱があって、これを見つけると嬉しい。NTT の方も電電公社時代の札がありそうなものだが、こっちはまだ見つけたことがない。